Fukuhara Yukako
あすはな先生 非常勤職員/臨床心理士
出身大学
神戸女学院大学 人間科学部 心理・行動科学科
京都ノートルダム女子大学 心理学研究科 臨床心理学専攻
あすはな先生のアルバイトを経験して、子ども領域を中心にしていこうと思われたのはなぜですか?
家庭教師として、生徒さんと密に関わっていたこともあるんですが、子どもの成長を見ていけるのが楽しいなって思いました。大学院生のときの実習で、子どもから大人まで様々な年齢の方と関わりましたが、子どもと関わっているときのことが強く印象に残っていて。そこから、子どもをサポートしたいという方向を考えました。
『あすはな先生』は、 大学院の友達から紹介してもらいました。最初は「教えられるかな?」と思いましたね。私が通信制高校に通っていたということもあって、勉強もそんなに得意ではないと感じていて。でも、せっかくの機会だし。家庭教師で週1からできるのなら、始めてみようかなと思いました。
勉強に苦手意識があったんですね。家庭教師として生徒さんのお家にお伺いするときは、緊張しませんか?
最初の訪問は、コーディネーターと一緒に訪問するので「初めまして」のときは安心でしたが、実際に授業が始まると1人でご家庭に訪問するので、緊張しました。私の性格上、1人でなんとかしないといけないと思ってしまうことが多くて。 でも、あすはな先生では目の前の一人の生徒のことだけを考えられる仕組みをコーディネーターが作ってくれていて、自分もキャパオーバーにならずにいることができました。目の前の生徒一人だけのために動くので、「今、この子にはこれが必要だな」ということも、わかりやすいと感じました。そういう面では、私には合っていると思います。
生徒さんとはどういったやりとりをされるのですか?
まずは机に向かって勉強することから始めたり、その子なりにゆっくりであったとしてもできることが増えるような工夫をしたり。 「学校の勉強とかは嫌やけど、先生との勉強やったらまあいいかな」と言ってもらえたこともありました。こういう言葉は、嬉しいです。
だんだんできるようになる様子を、見ていけるのは嬉しいですね。 机に向かうところからとのことですが、どのように勉強にもっていくのですか?
まずは、遊びみたいなプリントやひらがなカード使ったりとかして。最初からワークブックというよりも、勉強の道具に触れようっていう感じのところからはじめました。どういうふうにやっていくのかも、コーディネーターに相談しながらですね。徐々に自分でも「こんなふうに教えたらどうかな?」と考えてできるようになりました。
徐々に教え方や使うツールを考えたりもできるようになったんですね!他の先生に相談することもあったんでしょうか?
コーディネーターだけでなく、あすはな先生を紹介してくれた友達にも、活動報告シートの書き方とか小さなことは相談していました。他にも、あすはな先生全体集会があるので、その中で他の先生に出会えることもあります。同じようにあすはな先生で活動しているので「私はこんな生徒さんを担当してて…」という話をする機会もありますね。
家庭教師だとしても、一人ではないと思えると心強いですね。勉強が嫌だっていう生徒さんに「どう教えたらいいんだろう?」と悩んだことはありますか?
ありますね〜、その嫌な気持ちはすごく分かる!って思いながらも悩みました。 勉強自体はできないわけじゃなくて、できない自分が嫌という生徒さんがいて。これまではスムーズにできていても、できなかった問題に気を取られてしまって。嫌になってしまったり、問題を塗りつぶしたりしていました。
どう進めていけばいいか迷って、教室内の他の講師に相談して。「意欲面のサポートにフォーカスする時期なので、まずは“できるという感覚”を得えられるところからやっていこう」と方針をきめて取り組みました。そうやって、だんだん自信をつけていって。気づいたら、「あれ?ここできてるやん。」ってなるのが理想かなって。今その生徒さんは、“気づいたらできていた”というところに近づきつつありますね。
あすはな先生のアルバイトを通じて気付いたことや、子どもたちをサポートするなかでで心がけるようになったことはありますか?
あすはな先生に通っている子どもたちのなかには、勉強に苦手意識を持っているとか勉強に対してあまりいいイメージを持っていない子も多いんですよね。そもそも学習機会がないとか、その子に合わない勉強の仕方だったから難しかったという子がいるんだなということを家庭教師をするなかで感じました。
そういう子どもたちでも、自分にあった勉強方法が分かれば頑張ろうと思えたり、テストの点数が上がったり、勉強に対するモチベーションも上がったりするんですよね。 私自身も勉強が嫌すぎて、めっちゃ渋って大学受験したぐらいなんです(笑)。
だからこそ、「勉強が苦手」と思っている子のその苦手だと思う部分の支えになりたいと思います。 「できないことが少しでもできるように」と具体的な目標を持ってもらうことや、自分の特性にあった勉強方法に気付いてもらうためのサポートは必要です。でもそれだけでなく、「勉強が、嫌だ」「めんどくさい」という思いを持っている子どもたちの気持ちに寄り添うことも、苦手な勉強に立ち向かうためには必要なので、そういった言葉掛けは、これからも気を配っていきたいです。