こんにちは
あすはな先生代表の村中です。
今回は統計から見る発達障害の子どもたちの第三弾を
お送りしたいと思います。
今までの記事はこちら
統計から見る発達障害の子どもたち
統計から見る発達障害の子どもたち②
【子どもたちへの支援の実態】
今回は引き続きH24年の文部科学省の調査である
発達障害などのニーズのある子どもたちが、学校でどのような支援を受けているのかその実態について見ていきたいと思います。
まず、以下のグラフを見てください。
これは今回の調査で知的発達に遅れはないものの学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒(6.5%)が、学校の校内委員会で特別な教育的支援が必要と判断されていると認定を受けているかどうかについての調査結果です。
驚くべきことに、「支援の必要あり」とされている子どもたちは18.4%しかいないのです。この数字は全校児童の18.4%という意味ではありません。
担任教師によって「著しい困難がある」とされた子どもたちに対する数字なのです。
今回の調査は基本的に担任教諭によって受け持ち児童について回答しています。つまり、現場の教員の方が「特別なニーズがある」と感じる子どもたちのうち学校の仕組みとして支援対象になっているのはわずか2割足らずだということを意味しています。
残りの8割以上は学校の仕組みにおいて支援の対象と認められてないのです。
次に、支援が必要と認められた18.4%の子どもたちが現在具体的にどんな支援を受けているのかの内訳を見てみましょう。
支援の内容として最も多いのは「授業時間内に教室内で個別の配慮・支援」となっていて70%以上の子どもたちが支援を受けています。その中身としては「座席位置の配慮、コミュニケーション上の配慮、習熟度別学習における配慮、個別の課題の工夫等」となっています。
次に多いのは「個別の学習支援計画の作成」(32.1%)「授業時間内に教室以外の場で個別の配慮・支援」(24.4%)となっていますが、数字的には大きな開きがあります。
このことから、支援の必要が認められた子どもたちへの配慮や支援は現場の先生たちの創意工夫に委ねられている部分が大きく、学校内でのしくみによる計画的支援にはまだまだ程遠い現状が読み取れます。
通常授業のなかで、特別なニーズのある子どもたちへの配慮に苦慮されている現場の先生方の現状がこの数字からもありありと浮かんできています。
今後は、計画的支援の実施や支援学級への通級、取り出し学習支援の実施など学校システムとしてのニーズのある子どもたちへの支援拡充が必要であるといえるでしょう。
その為には、教育は未来への投資であるということを強く認識する必要があると私は思っています。
あすはな先生でのたくさんの子どもたちとの取り組みの中で、小学校、中学校時代の特別なニーズある子どもたちへの支援の有無が、子どもたちの将来の可能性に大きな影響があることを私は確信しています。
よくない循環に入り込んでしまうことで、子どもたちがニートや引きこもり状態になってしまう可能性も悲しいことにあります。一方で適切な援助さえあれば個性や強みを伸ばし社会で活躍する可能性もあるのです。
多くの子どもたちが後者の未来を育めるそんな状況に一歩でも近づけるために、私たちあすはな先生も出来る限りのことをがんばりたいと思います。