こんにちは。
あすはな先生運営事務局です
いよいよ来週から夏休みが始まりますね!
楽しい予定を考えるだけで、わくわくするこの時期。
しかし、海や川での水害や急な天候の変化による災害も各地で発生しているようです。
十分、気をつけて、楽しい夏を満喫してくださいね。
さて、今回は不登校についてお話したいと思います。
改めて、不登校ってどういう状態でしょうか?
一般的には「学校に登校していない状態のこと」を思い浮かべられると思います。
もう少し詳しく見てみると、統計上は
「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童・生徒が登校しない あるいはしたくともできない状況が、30日以上続いている者(ただし「病気」や「経済的な理由」による者を除く)」
と定義されています。
2012年の調査では、全国の小・中学生のうち、約12万人が不登校であるという結果が出ました。
およそ90人に1人の割合です。
近年では、不登校という言葉も一般によく知られるようになり、
「学校に登校していないこと=悪いこと」 という見方は少なくなってきているのではないかと思います。
一口に「学校に登校していない状態」といっても、その背景は実にさまざまです。
心理的・身体的な症状が重い場合は、適切な介入が必要なときもあります。
ただ、学校に行っていれば万事大丈夫かというと、そういうことでもないと思います。
実際に不登校の状態にあるときに、肯定的に捉える人もいますが、 それほど単純なものではなく、さまざまに悩み考える方のほうが多いと思います。
「元気に学校に行ってほしい」
「学校に行っていなくて、将来大丈夫だろうか」
「学校に行きたいのに行けない」
「理由はよくわからないけど、学校に行けない」
「学校には行きたくないけど、漠然と不安だ」 など…
また、不登校ってずっと昔からあるものだったのでしょうか。
学校が始まったのは、明治時代、今から約141年前に学制が敷かれてからです。
4年(後に6年に延長)の義務教育でしたが、学費が高く、通えたのは裕福な家の子どもだけでした。
親の仕事の手伝いや丁稚奉公など、学校に行かないことは珍しいことではありませんでした。
1900年、今から約110年前に、尋常小学校の授業料が無料になります。
通学率は90%になりましたが、家の仕事の手伝いなどもあり、学校に行っていないことが、 今のように社会的な問題になることはなかったようです。
終戦後の1947年、今から66年前に、学制改革により義務教育制度が整備されます。 1950年代の高度経済成長期以降、就学率が100%近くになり、学校に行くのが「当たり前」になりました。
そして、1960年代、今から約50年前ぐらいから「登校拒否」と呼ばれる現象が現れ、 1970年頃、今から約40年前頃から、社会問題となります。
こうして見てみると、不登校という現象は、 今40歳~50歳の人が生まれた時くらいから現れはじめたものであることが分かります。
短いと見るでしょうか、長いと見るでしょうか。
ずっと昔からあるものではありませんが、とても最近というわけでもありません。
学校に対する常識が、時代とともに変化していますね。
不登校に対する認識も、この40~50年の間に変化しています。
そのお話は改めてしたいと思います。
【参考データ】
平成 23 年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について(PDF版)
文部科学省初等中等教育局児童生徒課